×

□黒いアクマ
1ページ/6ページ

『あー…。あんっ…の変態め…』


 腰を支えながらおぼつかない足取りで、ふらふらと廊下を歩くラビ。

 ぶつぶつと文句をたれながら顔は、どこか青ざめており、その顔から相当痛いのが分かる。


『くっそー…。腰いてーさぁ…』


(昨日、あんなに激しくしやがって…変態ティキめ……)



 盛ってんのか?

 28にもなる男が18の純粋(誰かさんのせいで今は違うが…)な男の子に欲情してんのか?


 考えただけで寒気がする…。

 全身に冷や汗と背筋がゾッとする、違和感を覚えた。




『ラビ…大丈夫ですか?』


 そんな体調不良(肉体的な)のオレに、あどけない表情の少年が心配そうに話しかけてきた。


『うっ…アレン…?』

 こんな情けない姿を見られたことで、青い顔が余計に青くなったのが分かる。

 そんなオレを心配してか、押さえている腰に目を向けるアレン。

『腰…痛いんですか?』

『ま…あ…』


 痛いっすよ。
 この腰の痛みで、あのニヤニヤと笑う紳士ぶる男の顔が浮かぶのだから最悪だ…。







『……美味しく頂かれたんですね。』





 ……はい?



 今、何か聞きづてならんことを聞きましたよ。アレンさん…


 アレンの発言に唖然とし、冷や汗がダラダラと流れた。



 チラッとアレンの方に顔を向けると、フッと黒いオーラを出したアレンがいた。


『あ、アレン……?』

 な…なに!?知ってんの!?いやいや。そんなことより、何で黒アレンになってんの!?


 心の中でそう叫ぶオレに、アレンはくるっといつもの笑顔に変わりオレに笑いかける。

『なんですか、ラビ?』


 笑顔が怖いっす。


 そのどことなく黒い笑みを浮かべる、オレの前にいる少年が怖いっす。




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ