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□黒いアクマ
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『あー…。あんっ…の変態め…』
腰を支えながらおぼつかない足取りで、ふらふらと廊下を歩くラビ。
ぶつぶつと文句をたれながら顔は、どこか青ざめており、その顔から相当痛いのが分かる。
『くっそー…。腰いてーさぁ…』
(昨日、あんなに激しくしやがって…変態ティキめ……)
盛ってんのか?
28にもなる男が18の純粋(誰かさんのせいで今は違うが…)な男の子に欲情してんのか?
考えただけで寒気がする…。
全身に冷や汗と背筋がゾッとする、違和感を覚えた。
『ラビ…大丈夫ですか?』
そんな体調不良(肉体的な)のオレに、あどけない表情の少年が心配そうに話しかけてきた。
『うっ…アレン…?』
こんな情けない姿を見られたことで、青い顔が余計に青くなったのが分かる。
そんなオレを心配してか、押さえている腰に目を向けるアレン。
『腰…痛いんですか?』
『ま…あ…』
痛いっすよ。
この腰の痛みで、あのニヤニヤと笑う紳士ぶる男の顔が浮かぶのだから最悪だ…。
『……美味しく頂かれたんですね。』
……はい?
今、何か聞きづてならんことを聞きましたよ。アレンさん…
アレンの発言に唖然とし、冷や汗がダラダラと流れた。
チラッとアレンの方に顔を向けると、フッと黒いオーラを出したアレンがいた。
『あ、アレン……?』
な…なに!?知ってんの!?いやいや。そんなことより、何で黒アレンになってんの!?
心の中でそう叫ぶオレに、アレンはくるっといつもの笑顔に変わりオレに笑いかける。
『なんですか、ラビ?』
笑顔が怖いっす。
そのどことなく黒い笑みを浮かべる、オレの前にいる少年が怖いっす。
*