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□太陽の君へ
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それはいつもとなんら変わらない日の事。
只違っていたのは、その日はやけに雨が降っていたって事ぐらいで…それ以上は思い出せない。
いや。只思い出したくないだけなのかもしれない……
『行ってくるさ、アレン』
貴方が最後に言った言葉。
それは凄く普通の言葉で、いつもと変わらない笑顔で言う彼もまた、いつもと変わらない気持で言ったに違いない
でも僕は、その言葉になんの反応を見せず、只黙ってベッドの上でいもむしのようにくるまっていた。
なんでこんな風になってるかと言うと…
それは凄く単純な事で、今思えばなんで、あんなに冷静でいられなかったのだろう…と後悔を何度もした。
事のきっかけはラビだった。
僕は短期任務に行っていて、教団へと帰って来たのは丁度、一週間ぶりだっただろうか…
僕は早くラビに会いたい!という気持が大きく、やや急ぎ足で教団へと向かっていた。
教団に着くと直ぐに、リナリーやコムイさん達と会い
『アレン君、お帰りなさい』
『お疲れさま』
『無事で良かった』
などと、温かい祝福を受けた。
教団の人達は皆、任務へ行った人達の心配を凄くしてくれ、球団…ホームに着くと
――あぁ…自分は今、無事に生きているんだ
と、実感することができ、何よりも心がやすらぐ……
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