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□それはとても不器用な…
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捨てないで
良い子にしてるから
嫌わないで
文句も言わないから
オレを愛して
辛くても良いから…
それはとても不器用な…
「レッド」
後ろから声をかけられ振り向くと、そこには自分の好きな人が立っていた。
「グリーン!」
その人の名を呼ぶと、グリーンと呼ばれた少年はオレに駆け寄って来た。
「どうしたんだ!?こんな所で!?」
「まだ、捕まえてないポケモンがいたから来たんだ」
「本当に?オレもそうなんだ」
「何だか嬉しそうだな」
「グリーンに会えたからな」
「何だそれ」
──グリーンは、オレの恋人だ。
数週間ぶりに会ったグリーンは、やっぱり格好良くて。
オレたちは他愛のない話をしながら、町を歩いた。
町で人と擦れ違う度、大半の人が俺たちを振り向く。
正確には、グリーンを。
「レッド、どうかしたか?」
「──何でもない」
グリーンは、格好良いと思う。
気が利くし、頭も良いし、顔も良い。
おまけに、何故か有名人だ。
だから、振り向かれる理由もわかる。
皆、グリーンが気になるのだ。
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