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□気づかぬ内に芽生えてて。
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ライバルだった筈なのに。
気づいたら、とても気になっていて。
静かすぎて不気味な街で、君が行方不明だと聞いたあのとき。
地面が崩れた様な錯覚に落ちた。
気づかぬ内に芽生えてて。
「タワーへ出かけて行ったまま、もう2週間も戻ってこん」
ドードー好きのおじいさんの話。
レッドは、顔の色を真っ青にさせ、その話を聞いていた。
──助けなきゃ…!
そして、そう思うより先に体が動き出していて。
後先考えずに家を飛び出していた。
雨は、先ほどより増していて雷も鳴っている。
「グリーン…!」
不安で仕方がなかった。
このまま、レッドの側に戻ってこない様な気がして。
その不安が胸一杯に広がり、泣きたくなる。
なぜ、こんなにも胸が押しつぶされそうな気持ちになるのか、レッドには理解できなかった。
女の子に、対しての好きと同じ苦しみなのはわかる。
けど、なぜ同じ物をグリーンに感じているのかが、わからなかったのだ。
「グ、グリーン!おまえ、無事だったんだな!」
幽霊の間から、やっと君を見つけたとき、安堵で足下から力が抜け座り込んでしまいそうだった。