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□トレーナーの駆け引き。
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欲しいと思った。
今までにないタイプのレッドが。
強く、考えも柔軟で、しかし甘い優しさがある子供。
目が放せなくなり、その内、側に置いておきたいと思った。
だから言ったのだ。
『私の部下になれ、レッド』
──と。





トレーナーの駆け引き。





ほんの少しの気の緩み。
計算は合っていたんだ。
しかし皮肉にも計算を狂わせたのは、自分の軍で作った絶縁グローブだった。
ピカチュウの10まんボルトを大きく受け、ベストメンバーである筈のポケモンたちが倒る。
そして、──私も。


欲しかった。
レッドが。
強気で、短気で、全力で。
甘さがあり、しかし的をついた攻撃をかまし相手を負かす。
そして権力に屈しないあの姿。
手元に置き、自分の良い様に飼い慣らし、一生私の側に仕えさせる。
──それが、今では只の幻と化した。
なぜなら私は、試合に負けたのだから…。


私が倒れる瞬間、レッドは私を睨んでいた。
全ての悪行は許さないという感じで。


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