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□コレが今の俺の精一杯。
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「そんなんじゃ図鑑完成には、ほど遠いな。おまえと同じく図鑑を作っているライバルとして恥ずかしいぜ!」
「!!」
つい出てしまう皮肉。
歪んだあいつの顔。
うそだ。
誤解なんだ。
図鑑が一緒に作れるのは嬉しい。
ただ、ライバルなのが嫌なだけなんだ。
──素直に言えないこの思いが…もどかしい。
「なにおお!?」
向かい合い敵意を向けてくるレッド。
「おっと勝負か?」
けど、そんな顔は見たくない。
俺にも笑って欲しいんだ。
けど、きっと、お前は俺には笑ってくれないのだろう。
だから、せめて、遠くからでも君の笑う顔が見たい。
「いいことを教えてやろう」
だから言う。
勝てるかどうかわからないけど。
この町にあるグレーバッチのことを。
「グレーバッチ!?」
興味を示したレッド。
少しの顔の変化が、こんなにも嬉しいなんて。
俺を真っ直ぐ見る目。
もっと俺を見て。
もっと色んな顔を見せて。
「知らないのか?」
「くっ…。わるかったな」
バカにした様に言うと、レッドは顔を赤らめた。
あ、まだ見てない顔だ。
こんな顔もするのか。