ラグーン

□この想いを…。
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──綾がいなくなってからの毎日が、あまりにも平坦に進むから、辛くて、苦しくて。

けれど、これが現実なのだと自分の中で誰かが呟く。

──あの時、言えずに別れた自分が悪いのだと。





「おはよう、焔君、んで、おめでとニョロヨ!」
「ィッた!てか、何そのテンション!」

家に居座る地球が異性物が、朝から飛びついてくる。
テンションが高いのはいつもの事だけど。

「また全国模試で一位だったんでしょ?母さん鼻高いわ!」

母が代わりに答え、黒い制服を身に付けていた俺の頭を撫で回す。

「かぁさん!痛いって!」

この雰囲気は、どうやら早くに原稿が仕上がったらしい。

「綾ちゃんも一位だったみたいだし!本当に嬉しいわ!」

母は言う。
──今はいない、綾に向かっての褒め言葉を。





綾がこの家にいなくなって、どれだけの月日がたつのだろう。

──俺はいつしか、違う制服に身を包み始め、その服にも馴染んでしまうくらいの間、綾には一度も会ったことがない。

いつしか閉ざした想いも、風化している様で…。





「会長!」

廊下に響きわたる声に振り返る。

「何?」

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