†DISTANCE†
□Another face
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今日は仕事終わりに連絡が入り、家に来ている。
でも、家に来た時から仁の様子がおかしい。
最低限のことしか返事をせず、床にゴロンと寝ころんで雑誌をずっと読んでいる。
家に来る前の電話口でもそんな感じだった。
「今から行くから。」
の一言だけ。
あたしの観察が間違ってなければ、同じページを行ったり来たりしている。
『ねぇ。』
仁「……」
『ねぇってば!』
真上から覗き込むのに、目も合わせてくれない。
仁「何か用ですかー?」
『うわっ。超棒読み(呆)なんで目合わせてくんないの?』
仁「別に。雑誌読んでるから。」
『…ページ進んでないけど?』
仁「……」
仁のページをめくる手が止まり、そのまま仰向けに寝転んだ。
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