Blazing age2

□遠吠え
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「――そして、何事も無く我々は“棄てられた露営地”にたどり着いたのだった……」
「何言ってるの、ノーマ?」
「や。だって……何にもなかったんだもん。ナレーションでもつけないと気分盛り上がんないっしょ」

砦を前に四人が立っていた。フレン、ユーリ、ノーマ、ベリルはかつてその門があったであろう場所で停止し、横一列に並んでいる。
「なんだ? 何かあって欲しかったか?」ユーリは横目でノーマを見ている。
「いやいや冗談っ」ノーマはぶんぶんとかぶりを振った。

棄てられた露営地の入り口には先の尖った丸太や、それを縛っていたであろうロープが散乱していた。丸太や地面には所々矢が刺さっている。

「……戦争でもあったのか? それもかなり昔」
「さすがフレン。良い観察眼をお持ちで」
「誰だって分かるよ……」
呆れるフレンに対し、ユーリはふふん、と笑った。
「グルーディンの西、つまり海の向こうにはグレシア大陸がある。約二百年前、グレシア大陸を治めていたペリオス帝国が、このアデン大陸――当時のエルモアデン帝国に攻めてきた」

ペリオス帝国は、まず沿岸部のグルーディンを押さえ、次にグルーディオを狙い北へと軍を進めた。
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