地下書庫

□第1章 風の王の死
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30年後



30年3月29日午前7時00分
風の龍王の城前



ウィルコ「やめとけって、シロン.また試験受けれなくなるぞ.」

シロン「うっせーな.気がつかれちまうだろうが.」



会話しているのは、2体のウインドラゴン.
どうやら片方は、何か企んでるようであった.



シロン「さてと、そろそろ時間だな.カウントしてくれ.」

ウィルコ「しらねーぞ.お前4年前からやってるだろ.おかげで、
お前未だにサブプライドじゃねーか.うちのチームのエースが、1番したの階級なんて、やだぞおれは.」

シロン「毎年いっていけどなー.見てみたいと思うだろうが.王様が、どんな馬鹿ズラぶら下げてるのか.
重要な出来事のある時しか、顔出さないんだぜ.一片でいいから見てみたいじゃねーか.」

ウィルコ「べつに.俺からすれば、お前の方がおかしいと思う.そのためだけに、城の中に許可なく入る馬鹿は、お前ぐらいだ.第一反逆罪だろーが!」



そう許されないことなのだ!
間違われて暗殺者と思われてつかまってもおかしくないのだ.



ウィルコ「第一お前、初めて突撃したとき2週間も戻ってこなかったじゃないか!あれで懲りるのが普通だろが!」

シロン「しかしあれ以来1日で尋問も受けずに戻ってきてるじゃねーか.それにこれは、俺の試験でもあり約束でもある.」



門番の2体のスフィンクスが慌ただしくなってきた.
毎年のことで、もうすでに厳戒体制になってきたようだ.



ウィルコ「確かにそうだがしっかり処罰受けてるじゃねーか!それに約束って誰とだよ!」

シロン「フェザー様とだ.」

ウィルコ「嘘つけ!フェザー様といったら、ジェネルド3のお偉い方じゃねーか.お前なんかがあの人と約束を交わすなんて、
とかいってたらもうすぐカウントじゃねーか.行くぞ5、4、3、2、1、0!!」

シロン「行くぜっ!!」



勢いよく草むらから1体のウインドラゴンが飛び出してくる.
ただ一つの目標.王の顔を見る.
そして約束を守るために!!



スフィンクス1「今年こそは、通させんぞ!!」

スフィンクス2「毎年毎年うっとうしいやつ奴め!」



2体は、光弾を放つ!!
しかしそれを簡単にヒラリと避けて、2体をうまく交わし城内へと入ってしまう!



シロン「あったんねーよ!そんななまくら弾!!」



城内は、慌ただしくなる.
そして王の部屋の最後の扉!
いつもここで止められる.



シロン(勝負だフェザーさん!!)



覚悟を決めた!しかしその存在は、現れることなく扉に手が届いた...
なぜ?
なぜ現れない?
毎年現れるのになぜ?
なぜ俺を止めようとしない?
いつもなら扉に届く前に必ず現れて俺を止めてくるのになぜ?
しかし今ならと扉を開けることができる.
複雑な心境の中、扉を引く....
そこにあった物は....
無残にも全身を切り裂かれて死んでいた国王と....



フェザー「やはりきましたかシロン...すみませんねあなたにかまっている暇がなかったものでね...」



彼は、振り向かずにいった.



シロン「一体何があったっていうんだよ!?これが俺の見たかった王の姿かよ!なんで死んでんだよ!」

フェザー「朝見たときには、こうなっていました...暗殺者が来たのは、昨日の夜当たりですね...この状態だと...」



フェザーには、いつものような笑顔がなかった...
いつも落ち着いていて、焦ることのない性格...
何よりも笑顔を絶やす事はなかった.
その彼が、真剣なまなざしで死体を調べている...
いつもからは、想像もつかない形相で...
その死体の隣では、
トルネード軍大将軍カネルドウインドラゴン・ガイラス・ジェネルド2、
王の護衛兵達もいた...
ガイラスは、大声で叫んでいた...



ガイラス「てめーら見てなかったのか!?このぽんこつ共!!」

護衛兵「私たちは、部屋の前でいつも見張っています.それにフェザー様も見ていません.」

ガイラス「部屋の入り口は、ここしかないんだぞ!フェザーお前もおかしくなったのか!?」



彼は答えない...王の死体に集中しているせいだろうか?



ガイラス「どいつもこいつも!!おいそこの端くれ!」

シロン「俺っすか?」

ガイラス「そうだ貴様だ!このことを言うんじゃねーぞ!もしこれが他の種族知られたら風の国は滅ぶ危険がある!
 普通ならお前を牢にぶち込んでやるとこだが、テメーはフェザーの知り合いらしいからな、見逃してやる.さっさと自分の隊に戻れ!」



シロンは、強引に連れ出された...
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