英雄の兄と落ちこぼれの妹

□相容れない蛇
1ページ/5ページ





その後、ピーターにはバーテミウス・クラウチ・シニアとジュニア二人の事について情報を集めさせる為に一旦別行動となった

逃げ出してもすぐ分かるように魔法を掛けられたピーターは最後までリアンに何か言いたげな表情で見ていたが、結局何も言わずに闇に紛れてどこかへ行ってしまった

リアンはそれ以上ピーターを気に掛けることはなく、ログハウスに戻った

翌朝、マルフォイ一家と共に朝食を食べていたリアン

ふとドラコが何かに気付き、食べる手を止める


「レギュラスおじ様、左手首に何か…」


ドラコの言葉にリアンは思わず噎せ掛けたが上手く飲み込み、レギュラスを見れば手首の印が少し見えていた


「これかい?
これは大切な人から貰ったものですよ」

「え…」


レギュラスの言葉にナルシッサは青褪めたが、ルシウスとドラコは怪訝そうな表情をしていた

ルシウスは闇の印を持っている

だから手首の見える位置にあるのはおかしいと分かっていた

ドラコも元から闇の印を知っていたのか、色鮮やかな印が闇の印でないと分かっているようだった

何とも言えない空気の中で朝食は終わり、レギュラスが席を立とうとしたリアンに声を掛ける


「休暇の事で話が…
部屋に来て頂いても構いませんか?」

『え…はい』


レギュラスと共に席を立ち、部屋に訪ねるリアン

レギュラスは部屋に入ると静かに鍵を閉めた


『レギュラス…?』

「昨夜はどこへ?」


気付かれていた事に驚き、言葉に詰まるリアンをレギュラスはジッと見つめる


《手首の印のせいだろう
だから消せと言ったのだ》

『だって…』

「…蛇語は分かりませんが大体何を言っているのかは分かります
とりあえず、あんな夜更けに森へ何をしに行ったんですか?」


言っていいのか迷うリアン

そんなリアンにヴォルが関係していると気付いたレギュラスは溜め息を吐いた


「開心術を使っても良いんですけど、リアンの口から直接聞きたいんですよ」

『…ヴォルが、森に行くって
ついて行っただけ
別に何かしてたわけじゃない』

「まぁそうでしょうね
…次からはきちんと声を掛けて下さい
あなたが出て行った時、置いてかれてどんな気持ちだったか…」

『ごめんなさい…』


やっぱりちゃんと声を掛けていればと反省している様子のリアンに、レギュラスは小さく息を吐いた


「もう良いですよ
それが聞きたかっただけなので」


部屋を出ようとしたリアンだったが、ふとさっきの事を思い出して立ち止まり、レギュラスに振り返る


『…レギュラスは印隠さないの?』

「これですか?
闇の印ではないですし、隠す必要はないでしょう」

『…ナルシッサさんとか驚いてたよ』

「元死喰い人と知っていますしね
でも闇の印を持っているルシウス先輩は見える位置にあるのはおかしい知っているので何も言いませんでしたし
あんな糞ダサい印じゃないんですから見せても恥ずかしくないですし
問題はありませんよ」


ヴォルが聞けばキレるだろうが、幸いな事にヴォルは起きてすぐにどこかへ行った

リドルも部屋から出てくる事はあまりないため、聞いていない

リアンはレギュラスの毒舌に関しては触れず、ルシウスが何も言わなかったの下りに納得した

彼は怪訝な表情をしていたものの、驚いてはいなかった

ならばそれ以上言うことはないと思い、リアンはドアノブに手を掛けた


「リアンは隠すんですね」


無機質な言葉だった

だがどこか寂しげに聞こえたリアンは、印を隠す為につけているアームウォーマーを一瞥する


『ホグワーツの生徒も来てるだろうし
ドラコも驚くかなって思って
でも嫌なら外すよ
レギュラスの言う通り、これは闇の印みたいに恐れられているものじゃないし恥ずかしいわけでもないからね』


あっさりとそう言い放つリアンに今度はレギュラスが驚く番だった

リアンが印を嫌悪しているとは最初から思ってはいなかった

だがそんな安易に外すと言われるとも思って居なかった

リアンが言うようにこのワールドカップにはホグワーツ生が多く来ているだろう事は容易に予想できる

そうじゃなくてもホグワーツが始まればレギュラスの印もそうだが、何よりリドルの印が目立つ

闇の印のようなダサいものを考えた奴とは思えないほどリアンによく似合っているものだったが、何より目立つ

青い薔薇もそうだが、蛇はスリザリンの中でも目立つ上に教師達の目がある

だから在学中は印を隠すのはレギュラスも賛成だった

だが不安もあった

自分は無理矢理付けたようなものだ

印についてリアンはどう思っているか聞いたことがなかった為に、不安だったのだ

だから迷いなくはっきりと答えてくれたリアンにレギュラスは心が軽くなるのを感じた


「…いえ、今のままで良いです
ですが今度、もっとリアンに似合うものを用意させて下さいね」


闇の帝王を選んだ事は間違っていた

けれどリアンを選んだ事は間違いではないと確信したレギュラスはとても幸せそうに微笑んだ







2017/09/24

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ


©フォレストページ