英雄の兄と落ちこぼれの妹

□お買い物
2ページ/4ページ





ドラコとナルシッサと共にお茶をしていたリアン

話が終わったのか、居間へやって来たルシウスとレギュラス

二人の表情を伺うリアンだったが、二人は硬い表情でもなく普通な感じだった為、どういう話をしていたかは分からないが何も無かったのだろうと安心する


「レギュラスおじ様?
なぜおじ様がこちらに…」

「久し振りだね、ドラコ
実はリアンを引き取ろうと考えていてね
ルシウス先輩では無理だったけれども、僕はマルフォイ家よりも近いリアンの血縁者だからね
遠縁ではあるけれど、ルシウス先輩よりは養子にしやすいと思って…」


ニコッとドラコに笑みを向けて説明すると同時にリアンの頭を撫でるレギュラス

ドラコはルシウスがリアンを養子にしようとしていた事は知っていたが、それが失敗してしまった事は知らなかった為に驚きに目を見開き、ルシウスを伺い見る


「ダンブルドアに邪魔されてしまったが…
そうだな、ハリー・ポッターの名付け親であるシリウス・ブラックの弟ならまだ見込みはあるだろう」

「えぇ
兄はハリー・ポッターへ一緒に住まないかと誘っていたそうで…
ならば彼女は僕が引き取っても不思議ではありません
それに…彼女には昔助けてもらった恩がある」


それだけではないのだが、レギュラスは全てを口にする事はなく、その完璧な笑顔で隠す


「そう、だったんですね…」

『遠縁って知ったのは割と最近の話だったんだけどね
ドラコとも一応血の繋がりがあるんだよ
不思議だよね』


唖然としているドラコにリアンは照れ臭そうにはにかむ

そんなリアンにドラコも表情を綻ばせ、少し嬉しそうに笑った


『マルフォイ家にはなれなかったけど、ドラコの事は本当のお兄ちゃん以上に想ってるの』

「リアン…
僕だって!
血は繋がってるし、僕たちはれっきとした家族だ
だからなんでも僕に言って、頼ってくれて構わないからな!」


そう言って力強く手を握ってくれるドラコにリアンは驚きつつも嬉しそうに笑う

そんな二人を微笑ましくも嫉ましく見つめるレギュラスにルシウスとナルシッサは宥める


「レギュラス、あれは一応私の息子だ」

「一年の頃から仲が良いのよ
だから、ね?」

「なぜいきなりそんな事を言い出したかは分かりませんが別に僕は何も思っていませんし何も気にしていませんよただちょっとドラコとリアンの距離が近い上にドラコはなぜリアンの手をあんな強く握っているのでしょうね」

「落ち着け」


にこーっと貼り付けた笑みを浮かべるレギュラスにルシウスは肩を掴んで抑えるが、今にも杖を取り出しそうなレギュラスに内心ヒヤヒヤしていた

可愛がっていた後輩の一人の変化について行けないルシウスは深く重苦しい溜め息を吐いた

そんなルシウスにヴォルは若干同情したのだった







2017/09/18

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ