英雄の兄と落ちこぼれの妹

□答え
1ページ/5ページ





次の日

泣き腫らして隈が酷いリアンにレギュラスは何とも言えぬ気持ちになりながらも、冷やすために冷たいおしぼりを渡した

そんな彼にリアンはまた泣きそうになりながら礼を言うことしか出来なかった

ヴォルはあれから姿が見当たらず、リドルはロケットから出てこない

リアンは仕方なくサラとバジだけを連れてルーピンの元へ向かう事になった

そしてなぜかまた付いてくるレギュラスに姿現しでルーピンの元へ連れて行って貰うリアン

二人は山奥にある小屋の前に現れた


「久し振りだねリアンちゃん
そして久し振りだね、レギュラス」


リアンを出迎えたルーピンはレギュラスの存在に一瞬驚くがすぐに笑顔を浮かべる

レギュラスも貼り付けたような笑みを浮かべた


「お久し振りです
兄がお世話になっているようで…」


レギュラスの鋭い眼差しと指摘にルーピンは何も言わずに家の中へと通してくれた


「それにしてもリアンちゃん…酷い目元だね
何かあったのかい?」

『本を読み耽ってしまっただけですよ
ルーピン先生もお元気そうですね』

「もう教師ではないから先生は止めてくれ
リーマスで構わないよ」


穏やかに微笑むリーマスはそれ以上深くは聞かずに紅茶とお茶菓子を出してくれた

お茶菓子はチョコレートで、彼が無類のチョコ好きなのを表しているようだった


「まさかリアンちゃんとレギュラスが面識あるとは思わなかったよ…」

「彼女には命を救われました
だからこそ僕も貴方の選択を聞きたい
彼女にとって、そして僕にとってとても重要なことなので…」


そう言い放ったレギュラスにリーマスは驚いた様子だったが、安心した様な表情を浮かべた


「シリウスが心配していたよ
行方不明だったし、生きていたかと思えば危うい立場のまま動こうとしないってね…
成る程、彼女の事があったから光側にも付かなかったわけか…」


納得したリーマスは小さく息を吐いた

そしてここにはシリウスはもう居ないと言った


「喧嘩したんだ
シリウスは学生時代、ジェームズと喧嘩することはあっても私とは喧嘩した事があまり無かったからね
驚いているよ」

『…なぜ喧嘩を?』

「意見が分かれて対立したんだ」


リーマスはやはりダンブルドアの行いが許せなかった

ハリーとリアンに全てを押し付けていると思えるのだ

そうじゃなくても赤ん坊であるリアンに制約魔法を掛けたことにどうしても理解が出来なかった

リアンの命や人生を軽んじる行いだと

リアンの人格や意思を無視した非道な行いだと

リーマスはダンブルドアの考えを受け入れられなかった

だがシリウスは違った

ダンブルドアには考えがあって、それを邪魔してはいけない

ハリーは予言の子で、闇の帝王に打ち勝つ力があるのだから優先して守るべきだと

むしろリアンは闇の帝王を救う可能性がある

その上、スリザリンに入っているリアンは危険分子だと考えていたらしいシリウスはリーマスの意見に賛同出来ず

リーマスもシリウスの意見に賛同出来ず

二人は対立してしまった


「信じられなかったよ
ダンブルドアの考えを受け入れるだけでなく、不確かな予言とスリザリン生というだけで君を危険分子扱いをするシリウスがね…
彼は怒って出て行ってしまったが、正直ホッとしたんだ
私は彼の考えが恐ろしかったからね…」

「兄は良くも悪くもグリフィンドールらしいですね
ただスリザリンというだけで全員が闇の魔法使いと決め付ける」


疲れ切った表情のリーマス

吐き捨てるように言い放つレギュラスにリアンはレギュラスがシリウスの事をどう思っているか疑問を抱いた

リーマスもレギュラスに苦笑いをこぼしたが、どこかスッキリとした表情でリアンに微笑み掛ける


「私は君の味方だ
君を危険分子なんて思っていない
それに…ダンブルドアの考えにはついて行けない
これが私の答えだ」







2017/08/27

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ