英雄の兄と落ちこぼれの妹
□三年目の結末
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寮に戻ればヴォルが目を見開き、次の瞬間飛びついてきた
慌てて抱き止めれば何があったと問い詰められる
『サラによると誰かが逆転時計を使って…
あの懐中時計にもそういう系の魔法が掛かっていたらしくって逆転時計に影響を受けてぼくとサラが時間旅行に巻き込まれたんだって』
“忍びの地図”にハリーとハーマイオニーの名前が二つずつあった理由がこれで分かった
あの二人は逆転時計で時間を巻き戻して何かをしたんだ
「十中八九あの狸爺の入れ知恵だろうな
シリウス・ブラックの逃亡でもさせるつもりなのだろう」
『お陰で面白い体験は出来たけど…
シリウス・ブラックが自由の身なのはちょっとね…』
冤罪とはいえ学生時代のやってきた事は褒められたモノじゃない
それにスネイプへの言動もリアンには不快でしかなかった
『まぁいいや
それより今日は散々だったから早く休みたい…』
試験の最終日なのにスネイプの守護魔法で守られていたとはいえ攻撃魔法を受け、過去へ飛ばされてレギュラスを助けた
リアンはもうくたくただった
『ねぇ…いっしょに、ねよう
つかれたよ…』
「どういう理屈だ
…分かったから尻尾を離せ」
尻尾を掴み抱き寄せようとするリアン
仕方なくヴォルはほとんど夢の世界に旅立っているリアンの腕の中に収まった
モゾモゾと具合のいい場所を探して眠りに落ちたリアン
リアンの温もりと穏やかな心音を聞いてヴォルもすぐに眠りに落ちた
2017/08/23
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