英雄の兄と落ちこぼれの妹

□彼女の選択
1ページ/6ページ





「さて…
ハリー、リアン
君達は祝いの宴へ行くと良い」


アズカバンや日刊預言者新聞への手紙や報告の為に部屋を出ようとするダンブルドア

だがダンブルドアが扉を開ける前に扉が開いてドラコの父、ルシウス・マルフォイが部屋へと入ってくる

ダンブルドアがホグワーツに戻っている事に怒っているらしい彼にハリーは今回の事件の真犯人がマルフォイ氏だと言い放つ

リアンにとってはどうでもいい話だった

ハリーが日記をリアンから奪って部屋を飛び出して行くのを見届け、残されたリアンは深く溜め息をついた


『宴とかどうでもいいんだけど…』

「出なくてはならんだろうな」


着替える為にスリザリンの寮に向かいながらリアンは疲れたように呟いた

ヴォルは鼻で笑いながら答える

寮に戻るとドラコが心配して駆け寄ってきた

リアンが連れ去られたというのを聞いたらしい

リアンはそんなドラコに穏やかな笑みを浮かべて礼を述べた

部屋に戻ったリアンはシャワーを浴びてパジャマに着替えた

そしてドラコと共に大広間に向かう

他寮の生徒達もパジャマ姿で、お祝いは夜通し続いた

パーティーの最中、ハリーとロンに二百点ずつ寮点に加算され、グリフィンドールは二年連続寮対抗優勝杯を獲得した

その事にリアンは目を伏せ、胸を焦がす嫉妬や殺意から目を逸らす

そして学校からのお祝いとして期末試験を免除され、その事にヴォルとサラは不満を漏らし、舌打ちしたが生徒達は喜び、リアンはホッと胸を撫で下ろした

勉強や試験は嫌いではないが、ヴォルとサラのプレッシャーが恐ろしいのだ

最後にロックハート先生が教職員から外れると発表された


「残念ながらロックハート先生は来学期学校に戻る事は出来ない
学校を去り、記憶を取り戻す必要があるから」


そう発表したダンブルドアに生徒だけじゃなく、教職達も大喜びしたのだった

リアンはキラッと輝く笑顔を見せるロックハートと鼻歌を歌うロックハートを思い出しながら、記憶が無くなったロックハートなら別に授業を受けても良かったのにと思いながらも彼の事は忘れようと、ドラコとのお喋りに戻った







2014/12/21

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ