英雄の兄と落ちこぼれの妹

□対面
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目が覚めたリアンは、自分が居る場所が見覚えがあるようでない不思議な感覚に襲われた

スリザリンカラーの家具や部屋に、此処はスリザリンの寮だと認識は出来るが自分の部屋ではない知らない部屋のベッドに寝かされていたリアン

リアンはとりあえずベッドから降りて部屋から出ようと扉に手を掛ける

だが扉はまるでドアノブがあるただの壁かと思う程開く気配を見せず、リアンは部屋から出れない事に青褪めた

そして杖を出そうとローブのポケットを見るが、杖がどこにも見当たらない

あまりの事にリアンは床に座り込んだ


『どうしよう…』

「何も戸惑うことはないよ
君はずっと此処に居ることになるんだから」


背後から耳元へ囁かれたリアンは驚いて飛び上がる

慌てて振り返るとそこには怪しい笑みを浮かべるリドルが居た


「逃げようとしても無駄だよ
ここは全て僕の思うがまま
決して出る事は叶わない」

『な、んで…』


恐怖で顔を強張らせ、震えているリアンに手を伸ばすリドル

そしてリアンの頬を優しく指先でなぞるリドルはとびっきりの甘い笑顔を浮かべた


「君を気に入ったから」


だからどうしようもなく欲しくなったんだ…

そう耳元で囁くリドルはリアンの体を押して床へ押し倒す

組み敷かれたリアンは涙を浮かべながらリドルを見上げる


『な、に…を…』

「大丈夫だよ
僕が君を守ってあげる
君の兄からも
ホグワーツの教師からも
全てからね…」


そう言って顔を寄せるリドル

リアンは驚きで目を見開いたまま、段々と近付いてくるリドルの端麗な顔を見つめた

後数ミリで唇が触れる…

そう思ってリアンは咄嗟に目を瞑った








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