英雄の兄と落ちこぼれの妹

□ジニーと
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残り一ケ月の夏休みをウィーズリー一家の家“隠れ穴”で過ごしたリアンは、とても穏やかで幸せな時間とも言えた

反対にヴォルとサラは不満そうで、皆が寝静まってからぶつぶつと文句を垂れていたが、ペチュニアおばさん以外同性と接する機会が中々無かったリアンは、ロンの妹のジニーととても仲が良くなったことにとても喜んでいたのできつくは言われなかった

驚いたことにジニーはハリーに恋をしているらしいのだが、リアンにはその気持ちは理解出来なかった

だがそれと同時にとても喜んだ(これで付き纏う事を止めてくれないかなという秘かな願望と共に…)

ジニーにハリーの事を話したり、ホグワーツの話をしたりするのはとても楽しかったリアンは、ジニーの事を実の妹のように可愛がった

そして待ちに待った九月一日

朝から“隠れ穴”は慌ただしかった

忘れ物の嵐でキングズ・クロス駅に着いたのは十一時十五分前だった

慌てて駅構内を走る一行

ロンの兄、パーシーが先に9と4分の3番線に行く為に柱に向かって行った

続いてアーサー、フレッドとジョージ、モリーとジニー、リアンが入る

最後にロンとハリーが来るはずだった

だが待てど暮らせど来ない二人に、アーサーとモリーはリアン達に先に特急に乗るよう言った

リアンは空いたコンパートメントを見つけ、ジニーと一緒に入る


「お兄ちゃん達は別の所に行ってよね!」


荷物を載せてくれたアーサーが出て行くと入ってこようとする自分の兄達にそう言い放ってコンパートメントの扉を閉めたジニー


『…よ、良かったの?』


ジニーの勢いに驚いて固まってしまっていたリアンは尋ねたが、ジニーはけろっとした顔で大丈夫と言い切ったのでリアンにはもう何も言えなかった

ヴォルはホグワーツ特急でもジニーと一緒に居るのが不満なのか、不機嫌そうにリアンの膝の上で不貞寝しながら尻尾を座席に叩き付けた








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