□奪われる純潔
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「好きです!
付き合って下さい!!」


突然の事で目を丸くするリアン

人気のない所とはいえ、学校の廊下で堂々と愛の告白をするなんてハリーだけだと思っていたリアンは、あまり覚えのないハッフルパフの彼を見て対処に困った

とはいえ付き合う気もないので断るしかないのだが…


『えっと…ごめんなさい
ぼく、あなたの事を良く知らないから付き合うのは難しい…かな』

「あ…そ、うですよね…
じゃあ、友達…からっていうのは?」

『喜んで』


自己紹介をして、握手をすると顔を真っ赤にして走り去るハッフルパフの彼

そんな彼の背中を見送りながら、リアンは小さく溜め息を吐く


「…甘い
あんな奴さっさと切り捨てて終われば良いものを…」


足元に居たヴォルは近くの窓辺に飛び乗り、リアンを責める

そんなヴォルにリアンは困った様な表情を浮かべてハッフルパフ生の居なくなった方を見る


『でも…』

「そんな甘い対応では何かあっても文句は言えんぞ
強引に迫る奴だって居ないわけではあるまい」


なるべく誰かが一緒に居るようにしてはいるものの、絶対では無い

リアン自身がキチンと警戒心を持って注意しなくてはいけないのだが、肝心のリアンはいかんせん警戒心が無さ過ぎる


『でもいつかは誰かとそういう仲になるかもしれないんだから
全員を切り捨てるっていうのもどうなのかな…』

「…は?」

『ヴォルだって在学中そういう相手居たんじゃないの?
モテたって言ってたでしょ?』


学生時代はそれはもう全学年の女子から好かれていたし、何人かと付き合った事もあった

体の関係だって持っていた

だがそれをリアンに当てはめる事がヴォルには出来ず、顔をしかめる


『今すぐ誰かとっては考えてないけど、いずれはそういう相手が出来るかもしれないし
実際にリドルやレギュラスも…』


リアンの口から二人の名が出た瞬間、ヴォルの中で何かが切れた

一瞬で実体化したヴォルはリアンの手を掴むと近くの隠し部屋に入り、リアンから素早く杖を奪うと人避けと防音魔法を掛けた


『ホグワーツで…
誰かに見られたらっ…』

「そんなヘマはしない
それよりも…」


慌てるリアンを一蹴し、ヴォルはリアンを抱き寄せた


「あんな紙屑や裏切り者の糞ガキを貴様は選ぶのか?」

『選ぶ?
何の話か…』

「そういえばあの二人と口付けを交わした事があったと言っていたな
魔力を奪うため、息を分け与えるため
どんな言い訳を並べても口付けた事には変わりない
その上、その体に印を刻み付ける事を許した
あんな愚図共をよもや愛しているなどと言うのか?」


リアンの唇を親指でなぞり、ジッと見つめるヴォルにリアンは戸惑うが、思えば彼自身も自分にキスをした上に印を刻み付けている

なのになぜ二人ばかりを責めるのかリアンには分からなかった


「…理解出来ないようだな
鈍い貴様にも分かりやすく教えてやろう」


ギラリと真紅に目を光らせるヴォルはそのままリアンを抱き上げ、隠し部屋の奥にあるベッドへ横たわらせた


「貴様が誰のもので、どういう存在か
その体に教え込み、そして俺様自身を刻み込ませてやる」







2017/09/20

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