英雄の兄と落ちこぼれの妹

□クリスマス休暇
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ホグワーツ特急に乗ってキングズ・クロス駅に降り立つリアンとドラコは迎えに来ていたルシウスとナルシッサの元へ向かう


「お久し振りです父上、母上」

『ルシウスさん、ナルシッサさん
休暇の間お世話になります』

「ドラコ、よく帰って来た
リアン嬢も、我が屋敷でゆっくりしてくれたまえ」

「ドラコ、寒いでしょう
早く屋敷に戻りましょう
リアンさんも、帰ったらお茶をしましょうね」


そう言ってドラコをナルシッサが、リアンをルシウスがエスコートしてマルフォイ邸に向かう


『少し早いのですが…
クリスマスプレゼントとしてお菓子を作ってきたんです
よろしければ食べて頂けますか?』


そう言ってリアンはクッキーやマドレーヌ、マカロンなどを籠から取り出してテーブルに並べる

リアンの作ったお菓子はマルフォイ親子に大絶賛された


「凄く美味い!
これが手作りだなんて…」

「リアン嬢にこんな才能があるとは…
これはなかなかイケる」

「私はお菓子作りが苦手だから羨ましいわ
本当にとっても美味しいわ」


リアンはホッとしながらも礼を言い、レシピを尋ねてくるナルシッサに答える

お世話になる彼らへの感謝の気持ちが少しでも伝わればと思っていたリアンは一安心した

リアンとドラコはクリスマス休暇の宿題を一緒にしながら話をしていた


「スネイプ先生は父上の後輩に当たるんだ」

『だから前に一緒に居てたんだ…』


なぜこんな話になったか

それは今話題の脱獄犯シリウス・ブラックが元だ


「父上の在学中にシリウス・ブラックが入学したはずだ
確かシリウス・ブラックは…」

「セブルスは勿論のこと、リアン嬢のご両親とも同級生だった」


突然背後からの声にリアンとドラコは驚き、振り返る

そこにはルシウスが立っていて、勉強をしている二人を見ていた


「後は今闇の魔術に対する防衛術の教師であるリーマス・ルーピンもポッターやブラックと同じ学年だった
グリフィンドールではポッターとブラック、ルーピンとペティグリューが常に連んでいたな
悪戯と称したスリザリンへの嫌がらせが目に余るものだったが…」


うんざりした様に小さく息を吐くルシウス

彼が自分達の話に入ってくることもそうだが、自分達の事だけでなくリアンの両親の事なども教えてくれるのは意外だった


「母親であるリリー・エバンスはかのグリフィンドールのMs.グレンジャーに良く似ていたよ
まぁMs.エバンスの方が校則などには厳しかったがね」


ルシウスの言葉にハリー達と共に校則破りの常習犯なハーマイオニーを思い出してリアンは苦笑いをこぼす


「リアン嬢はシリウス・ブラックに興味があるのかね?」

『いえ、特には
ただ父と仲が良かったと聞いて少し当時の事を知りたくなっただけです
それよりもスネイプ先生とリーマス先生が同い年とは知らなかったのでそっちの方が気になりますね』


身近な先生達の学生時代の事は興味があると言うリアンにルシウスは笑みを浮かべ、学生時代の話をしてくれた

リアンとドラコは間で質問しつつ、とても楽しく話を聞いていた

それはまるで家族のように

ナルシッサが夕食だと呼びに来るまで三人は楽しそうに話し続けた







2017/08/16

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