英雄の兄と落ちこぼれの妹

□クリスマス休暇
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ナルシッサからは花の香りがするリップグロスを貰い、ルシウスからは蛇の模様が描かれたシルバーのプレートがあるキーホルダーを貰った


「これは我が家への移動キーだ
プレートをズラすとエメラルドがある
それに触れればこの屋敷へ移動出来る」


ルシウスの言うとおりにシルバーのプレートをズラすと、目にエメラルドが埋め込まれた蛇が出てくる

デザインも表の物とは違っていて、とてもお洒落だった


『ありがとうございます
…ルシウスさん、後ほどお時間頂いてもよろしいですか?』

「…では朝食後に書斎へ」


頷くリアンにルシウスは微笑み、テーブルまでエスコートしてくれた

朝食を食べ、そのまま書斎へと案内してくれたルシウス

リアンは促されるままソファーへと腰掛ける


「養子の件で?」

『はい
ご存知かもしれませんが、ぼくは純血ではありません
ですがマルフォイ家の名に恥じぬよう、今後も精進させて頂く所存です
是非、ぼくを養子にして下さい』


リアンの言葉にルシウスは満足そうに頷き、笑顔を浮かべた


「そう言ってくれて嬉しいよ
早速手続きを進めよう
夏休みにはこの家に帰って来れば良い
後は部屋も既にドラコの隣に用意してある
今日中に移動して、足りないものがあれば買いに行こうか」


上機嫌なルシウスにリアンも笑みを浮かべる

正式な発表は夏休み前になるかもしれないとの事だったが、リアンにはむしろ都合が良かった

ハリーに何を言われるか分からないし、相手をするのも面倒だ


『恐らくダンブルドアが…』

「分かっているよ
だが安心しなさい
私だって馬鹿じゃない
君は気にせず、ドラコと今後も過ごせば良いのだよ」


早速手続きをしてくれるとの事で、魔法省に出向くと言うルシウスを見送り、リアンはドラコと一緒にプレゼントを開ける

ハリーからはエメラルドの付いたネックレスが送られていた

だがリアンはそれをそのまま箱に戻した

ハーマイオニーからは櫛が届いた

ロンからは手紙が届いていて、それを開けようとするとサラが制止を掛ける


《呪いが掛かっている》


サラの言葉にリアンはその手紙をハリーのプレゼントの箱の上に置いた

スネイプからは百合の髪留めだった

母を意識しているのだろうかと思いながらも、可愛らしい髪留めは大事使わせて貰おうと去年ドラコから貰ったオルゴールの中にしまう

クィレルからはモークトカゲの革製巾着袋だった

手紙には中に何かを隠すと持ち主以外は取り出せないのだと書いていた

セドリックからは保温魔法と自動洗浄機能が付いたマグカップだった

後は相変わらず匿名で大量に本や文具やお菓子、服まで送られてきた

本は目ぼしい物も無いため、匿名のプレゼントの上にネックレスが入ったままのハリーからのプレゼントとロンからの手紙を置く


「それは?」

『あぁ、知らない人からだから
念の為ね』


呪いの手紙を送ったロンはともかく、ハリーからの物も知らない人からだと言ったリアンにヴォルは目を細めたが何も言わない


『エバネスコ』


消えたプレゼント

ハリーからのネックレスすらも消してしまったリアン

だがリアンの頭には既にネックレスの存在などなかった







2017/08/17

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