英雄の兄と落ちこぼれの妹

□二年目の結末
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「今年の夏休みこそうちに遊びに来てくれないか?」


ホグワーツ特急のコンパートメントの中で一緒に居たドラコはリアン尋ねる

リアンは苦笑いを浮かべながら叔母さん達に聞いてみないと濁したが、ドラコは諦めなかった


「ポッターと一緒に居たらロクなことが無いだろう?
夏休みの間、うちに居れば安全じゃないか
父上や母上にはもう話してある
いつでも歓迎すると言って下さった」

『ありがとう
とりあえず叔母さん達に聞いてから手紙を書くよ』

「僕も手紙を書こう」


リアンは流れる景色を見ながら今年一年を振り返った

結局スネイプ先生は複雑な表情でホグワーツ特急に乗る様にリアンの背を押した

リアンがダーズリー家に帰りたくないと言った話をダンブルドアにしたが受け入れて貰えなかったのだろう

最後までリアンを心配そうに見ていたスネイプにリアンは怒りも悲しみも浮かばなかった

そういえば今年一番の出来事はリドルとバジリスクの事だろう

リドルは演技をしないで欲しいと言ってからは本当に演技をしなくなった

ヴォルと違って表情豊かで、嘲笑がほとんどだがそれでもリアンが嫌いだったあの笑みをリアンに向けることをしなくなった

やはりヴォルとサラと仲は良くないが…

バジリスクはサラだけでなく、リアンにも懐いてくれるようになった

流石にネズミを渡されそうになった時は丁寧に断ってバジリスク本人が食すのを遠い目で眺めたリアン

今は肩に掛けている鞄の中にサラと共に入って貰っている

だがダーズリー家で見つからないようにしないといけないなと思いながら、リアンはそっと鞄を撫でた

キングズ・クロス駅に着き、ドラコと別れたリアンはロンとハーマイオニーと別れたハリーと合流した


「今年も色々あったね」


苦笑いを浮かべるハリーにリアンはそっと目を伏せた


『叔母さん達待たせちゃダメだよ
早く行こう』


手を握って来るハリーに珍しく答えるリアン

リアンはハリーと共にダーズリー家の元へと帰った


---記憶と蛇の王を迎え入れた少女

少女は気付かない

己が払い切れない泥沼に居ることを

光に居場所が無い少女に泥沼から引き摺り出してくれる者など居ない

気付かぬ内に深みに嵌る少女に闇は笑みをこぼしたのだった---



---秘密の部屋---



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2014/12/22
2017/08/05修正
*あとがき
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