英雄の兄と落ちこぼれの妹

□相見える
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リドルは背後に居たヴォルに気付かなかったのか、驚いた顔で振り返る


『ヴォル…
リドルがヴォルデモート卿って本当なの?』

「あぁ
非常に不本意だが、コレは俺様の過去だ」


ヴォルの言葉にリアンとリドルは驚く

リアンはそう…と言ってハリーの手元にある日記の元に行くが、リドルは心なしか青褪めてヴォルを見つめ続けた


「…まさか…
そんな衰えた魔力が…
そんな情けない姿が…
未来の僕だと…?」

「フン
ご期待に沿えず悪かったな
だが貴様とて消される一歩手前だったではないか
愚かな
やはり阿呆だな」


散々な言い草のヴォルにリアンは眉を下げた

そしてハリーの手元にある日記を手に取った


『先生達は此処に気付いた?』

「いや、だが時間の問題だろう
入り口も開いたまま放ったらかしだったからな」


リアンはハリーと日記を見て顔を顰めた


「リアン
日記から何枚かページを千切り取れ」


ヴォルが唐突に言い放つ

リアンは素直にページを二、三枚千切り取った


「日記は元の場所に戻して構わん
おい、何時まで惚けている」


ヴォルは未だに呆然としているリドルに声を掛けた


「…情けないを通り越して滑稽だね
そんな姿でよく平気なものだな」

「貴様も阿呆のままでよく平気なものだ
詰めが甘い
今までよく見つからなかったものだ
まぁ欠片である貴様を見つけられなかった俺様も衰えたものだがな…」


ヴォルは溜め息を吐くとリアンの胸に飛び込む

リアンはヴォルを腕で受け止め、ヴォルはリアンの腕から肩へと移動する


『リドルは…』

「お前が日記のページを持っているのならあっちは壊されても構わん
むしろ壊した方が都合が良い
愚兄もダンブルドアも騙せるだろう」


リアンはリドルを見るが、リドルも特に何も言わないので大丈夫だと判断する

千切り取ったページをポケットに入れてリアンはハリーから離れる


「魔法を解くぞ」


サラの言葉と共に魔法は解けてハリーがバジリスクの牙を振り落とす

夥しい量のインクが溢れ出る

リドルは消え、ジニーがすぐに目覚めてハリーに駆け寄った

サラは蛇に戻り、リアンのフードの中へ

リアンは頃合いを見てハリーの元へと近付く


「良かった!
リアンも無事だったんだ」

『うん…
ジニーごめんね
気付いてあげられなくて』

「全然良いのよ
むしろ私が…」

「とりあえずロン達の元へ戻ろう」


ジニーがハリーを支え、リアンは日記を持つ

リアンは一度秘密の部屋を振り返るが、ハリーの声にまた歩き出した







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2014/12/21
2017/08/05修正

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