英雄の兄と落ちこぼれの妹

□見つけた糸口
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ヴォルが帰って来た

ハーマイオニーが石にされたと

そしてダンブルドアが停職処分を受け、ハグリットが連行されたらしいと教えてくれた

これでホグワーツはより一層守りが手薄になった

リアンは混乱する生徒達を眺めていた

ホグワーツは厳重体制を敷いては居るが、生徒達が石にされるのを防げない時点で意味はない

リアンは特に何も思わなかったが、学校中が恐怖感に包まれて殺伐とした空気に包まれていた

だがそんな空気とは裏腹に、ドラコは上機嫌だった

その理由は談話室や大広間で自慢気に話してきた


「父上はダンブルドアがこの学校始まって以来の最悪の校長だとお思いだった
だから父上こそがダンブルドア追い出す人だろうと僕は思っていたのさ
今度はもっと適切な校長が来るだろう」


ドラコの言葉に素直に賛同出来ないリアン

ダンブルドアはそんなに甘くない

それにダンブルドアにはハリーが居るのだ

ダンブルドアがこんな事態になった以上、ハリーは絶対動くだろう

そうなった場合、ぼくはどうするだろう…

どうなるだろう…


「リアン」


考え込んでいたリアンにハリーが声を掛ける

リアンは肩を跳ねさせながら振り返る


「話したい事があるんだ」


嫌悪感丸出しのロナルド・ウィーズリーを引き連れて、ハリーは話し掛けてきた

リアンは眉を顰めたが、返事を聞かぬまま腕を引いたハリーに着いて行くしかなかった


「ハーマイオニーが石にされたんだ
ダンブルドアもホグワーツを追い出された
でもハグリットがクモの跡を追っかけろって言ってくれた」


ハリーの言いたい事が何となく分かったリアンだったが、それでも先に言ってやる事はしなかった


「今夜クモの跡を追って禁じられた森へ行くんだ
リアンも一緒に来てよ」


予想通りのハリーの言葉にリアンは頭が痛くなり、ヴォルとサラは悪態をついた


「行くなら赤髪の小僧と行けば良いだろう
無駄に首を突っ込んで痛い目を見れば良いだろう」

《何故リアンを巻き込む
一度禁じられた森に入って痛い目を見ただろうに
学習しない馬鹿らしいな》


リアン自身も言いたい事は沢山あったが、とりあえず冷静に対処しようと深呼吸をした


『いつ誰が襲われる事態になるか分からないのにわざわざ危険な目に会いに行くのはごめんだよ
去年の事で学ばなかったの?』

「でもダンブルドアが…
それにハーマイオニーだって」

『マンドレイクはもうすぐ収穫出来る
Ms.グレンジャーも含め、犠牲者達はみんな元に戻る
校長だってハリーやぼくが何もしなくても大丈夫だよ』


それでも聞く耳を持ちそうにないハリーに段々イライラするリアン


『深夜徘徊は原則として禁じられてる
今は特に
規則を破るのもいい加減にしなよ
ポリジュース薬だけでどれだけ破ってると思ってるの?
ぼくが先生達に何も言ってないからって調子に乗らないで
とりあえずぼくは行かないから』


でもと食い下がるハリーにロンが止める

あんな奴ほっとけよと言うロンの言葉を受けながらリアンはその場を離れる

リアンはそのまま図書館に向かった







2014/12/18

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