英雄の兄と落ちこぼれの妹

□決闘クラブ
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廊下を歩くリアンにヴォルとサラは困惑が混じった声色でリアンと話していた


「やはり貴様はパーセルタングが分かるだけでなく話す事も出来るのだな」

『パーセルタング?
…蛇語のこと?
前にサラも言ってたけど…』

《そうだ
スリザリン寮のシンボルが蛇なのはサラザール・スリザリンが蛇と話すことが出来るからだ
魔法族の中でも極稀にしか現れない希少な能力で、今ではスリザリンの子孫ぐらいしかその能力を持っている者は居ないだろう
リアンは私の言葉が分かるが今まで蛇語を話したことがなかったからな
確信がなかったが、蛇語を話す事も出来るという事は完璧なパーセルマウスという事なのだろうな》


サラザール・スリザリン、つまりサラもパーセルマウス

そしてヴォルもバジリスクの声を聞いている為、ヴォルもパーセルマウスなのだろう

でもスリザリンの子孫ではないリアンやハリーもパーセルマウスなのは何故なのか

リアンは戸惑いながらサラを見た


《…あの愚兄は知らんが、リアンはその左目に糞猫の魔力が宿っている
去年はその糞猫自身が左目に宿ったのだ
能力や魔力がリアンに宿っていると考えても不思議ではない》

「…」


サラの言葉に考え込むヴォル

リアンは連れて来た黒蛇を見つめながら左目の事を考える

殆ど使えない左目の影響がまさかこんな風に出てくるなんて…


「…これから面倒な事になるぞリアン
秘密の部屋はサラザール・スリザリンが残したものだ
そのスリザリンの継承者があの愚兄や貴様だと確実に思われているだろう
パーセルマウスだと知られたのだから」

『…』


ヴォルの言葉に立ち止まるリアン

別に周りにどう思われようと構わないが、それが今回秘密の部屋を開けた者にどう思われるか

それがリアンの気掛かりだった

そしてリアンのもう一つの気掛かりは…リドルだ

リドルはリアンがパーセルマウスと知ればどう思うだろうか

リアンは大人しく腕に収まる蛇を見つめながら、静かに寮に戻って行った







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2014/8/14
*あとがき
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