英雄の兄と落ちこぼれの妹

□看病
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トムからお粥を貰って部屋に戻ったスネイプは、リアンにお粥を食べさせる


「起き上がれるか?」

『はい…』


怠い身体を起こすと、スネイプはクッションを背中とベッドヘッドの間に置いてくれた

そして膝の上にお粥を乗せて、ゆっくりではあるがリアンはお粥を食べ始める


『暖かい…』


久しぶりの暖かい食事にリアンは微笑む

食事自体も久しぶりな感覚なので(実際四日ぶり)ニコニコと微笑みながらお粥を食べ進めた

お粥を食べ切ったリアンはスネイプの調合した薬と格闘する事になる


『う〜…』


ドロっとした灰色の薬は薬草独特の刺激臭がした

一口味見に飲むと、なんとも言えない味が口に広がる


「早く飲みたまえ」


急かすスネイプに意を決して一気に飲み干すリアン

ドロっとしていて飲み辛く、苦労した末に飲み干した


『…………』


なんとも言えない味が喉に纏わり付く感覚にリアンは顔を若干歪める

そんなリアンにスネイプはゴブレットに水を入れて渡してくれた


『ありがとうございます』


水を飲み、喉に纏わり付く感覚を流すリアンはホッと一息つく


「薬を飲んだなら寝なさい
身体を休めない事には治るのも治らない」


そう言ってリアンを寝かせるスネイプ

リアンは不安気にスネイプを見上げた


『先生…、寝るまで側に居て下さい…』


スネイプは目を見開いた

普段ハリーのせいで甘えることが出来ないでいるリアンは、ヴォル達にも余り弱音を吐かない

そんなリアンがこうやってスネイプに甘えるのは風邪のせいもあるが、ハリーに置いて行かれたせいでもあった

ハリーのせいでいつも酷い目にあうリアンであったが、今回は群を抜いて酷かった

それが堪えて体調を崩したリアン

リアンにとってスネイプは“信頼出来る大人”だった

弱った状態で信頼したスネイプが看病でわざわざ来てくれた為に甘えているのだ


「…心配せずとも何処にも行かない」


そう言ったスネイプにリアンは微笑み、すぐに眠りにつく

スネイプはそんなリアンを何時もより柔らかな表情で見つめたのだった







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*あとがき
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