英雄の兄と落ちこぼれの妹

□告白
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自宅にて薬を調合して漏れ鍋に姿現しをしたスネイプ

戻ってきてもまだ眠っているリアンにスネイプは目が覚めるまで待とうと、ベッドの横に椅子を持ってきて座った

ふと本を持ってくれば良かったと思うが、取りに戻るのも面倒だと断念したスネイプはリアンを観察する

リアンの柔らかなふんわりとした黒髪も今は汗で少し額や頬に張り付いていて、そっと張り付いている髪を指で横に流すと火照った顔が露になる

顔に影が出来るぐらい長い睫毛

小さな鼻

ぽってりした柔らかそうな唇

最後に見た時より全体的に少し細くなったか

いつもはリアンを愛しいリリーに重ねて見てしまうスネイプ

だが今は何故か、リアン自身に目がいった

温さを通り越して少し熱いタオルを水で冷して絞る

それを額に置く

そんな事を何回か繰り返している内に外が大分暗くなった

そろそろ水を変えようと立ち上がるスネイプ

その時だった


『せん…せ…?』

「!…目が覚めたか」


パチパチと瞬きを繰り返して目を丸くするリアン

スネイプは魔法で水を変えてから目を覚ましたリアンに向き直る


『なんで…せんせぇがここに?』

「校長から頼まれたのだ
とりあえずこれを飲みたまえ」


体を起こすのを手伝い、薬の入ったゴブレットを差し出すスネイプ

ゴブレットを受け取るが、力が入らず危うく落とす所をスネイプがキャッチした


「…………」

『す、すみません…』


結局飲むのも手伝って貰い、リアンは申し訳ない気持ちで布団に潜った


「…まぁいい
とりあえず話を聞かせて貰おうか
何故Ms.ポッターは此処に居るのかね?」


ピシッと固まってしまったリアン

目が覚めたら漏れ鍋にいたリアンはどうやって此処に来たか知らない

知ってても話せるような話でもないが…


《あの家で受けた事を有りのまま話せば良い
此処へ来た方法は覚えていないと
熱で意識がなかったのだから嘘ではない》


蛇語で話すサラは蛇語を理解出来ないスネイプの前では話放題だった

ダーズリー家の話はしたくないとリアンは思ったが、またあの家に戻るよりはマシだと言うサラの言葉に覚悟を決めた








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