英雄の兄と落ちこぼれの妹

□告白
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『スネイプせんせ…
ぼくたちはあの家、あの家族の元で過ごす事が出来ません
ぼくはもう耐えられない
ハリーも同じで、だからハリーはあの家を逃げ出してぼくも此処にいるんです』

「…どういうことかね?」

『あの家に居たらぼく殺されちゃう!
おじさんやおばさんはぼくらのこと化け物みたいに扱う…
人には会わせないし、会っても精神病患者扱い
今回だってそう…
ぼくらは魔法使ってないのに、全部ぼくらのせい
それにぼくらが魔法使えないと知った瞬間、おじさんはぼくらを閉じ込めた
ハリーウィーズリー達に助けられましたが、ぼくは置いて行かれました
ハリーが逃げ出したせいでおじさんは怒り狂い、ぼくにご飯も与えなくなった
今までも酷い時は貰えてもパン一個とチーズ一欠片だけとか、缶詰のスープとかだった…
あんな家、もう居たくないです…』


ポロポロと涙を溢しながら訴えるリアン

スネイプはマグルでもまさかそこまでされているとは思わなかったのか、言葉を失っていた


「だ、だが…」

『一人でちゃんとするからあの家には帰らせないで!
ぼく、料理も洗濯もお片付けも出来ます…
裁縫だって得意なんです
だからあの家には帰らせないで!
お願い…、スネイプ先生…』


とりあえず体調が悪化するからと落ち着かせようとするスネイプ

だが熱で情緒不安定になっているリアンはなかなか泣き止めずに居た


「…校長から我輩が言っておこう
だからもう泣くな…」

『ダンブルドアではダメなんです
ハリーがダーズリー家に居る限り、許可は降りない
だってぼくにハリーを守ってもらわないといけないから…』


ダンブルドア自ら守護魔法を掛けたんだ

許可するわけない

スネイプは顔を歪めたが、話をするとしか言わなかった


「今はとにかく体調を治すことに専念しなさい」

『…はい』


泣き止みはしたが、暗い表情のままベッドに横たわるリアンにスネイプは悲痛な表情を浮かべる

そしてそんなリアンから逃れる様に何か消化に良いものを貰ってくると言って部屋を出た


「我輩はどうしたらいいんだ…
リリー…」


部屋の扉に凭れ掛かって呟くスネイプ

一つ溜め息をつくと、トムに食べ物を貰うために歩きだした







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