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□潮江文次郎編
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高校3年の潮江文次郎は委員会の仕事をしていて遅くなり
暗い夜道を自転車で走っていた


別に遅くなったからと言って
怒る人などいなかった

文次郎の両親はよく家を空けがちだった

だから文次郎はほば1人暮らしのようだった


いつものように
住宅街に差し掛かると
急に自転車の後輪から
何かが割れる音がした


「ん?」


まさかと思い
自転車を降り、音のした後輪を触ってみた

「パンクか…」


タイヤを触ると
見事なまでにぺしゃんこになっていた


「ったく…」


文次郎はしぶしぶ自転車をついて帰ることにした


すると急に
後ろに変な気配を感じた
文次郎が足を止めれば
気配も一定の距離をおいて止まる


ふいにそれが腹立たしく思い

気配に向かって声を荒げた


「誰か知らんがつける奴を間違ってないかっ!?」

するとその言葉に
気配は少し動じたような動きをした

そして
気配は姿を現して言った


「…潮江文次郎だな?」



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