二年後設定銀桂話

□坂田将軍の弱点
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江戸中の荒くれ者の集まる無法都市、かぶき町。
町では今日も争い事が起きていた。

体格の良い男たち、十数人が、道沿いのあちらこちらの店で言いがかりをつけて暴れて金を脅し取ったり、気の弱そうな娘をつかまえてどこかに連れ去ろうとしていた。
そこに、銀色の少し長い髪をなびかせて、頬に大きな傷のある男がやってきた。
かぶき町きっての猛将とうたわれる、坂田銀時だ。
銀時は緊張感のまるでない様子で、首筋をボリボリとかく。
「なんだテメーら、元気がありあまってるみてーだなァ」
乱暴者の男たちを眺めて、言う。
「俺ァ、運動不足みてーだから、ちょっと運動につきあってくれ」
ニヤリと笑った。
男たちは銀時が坂田将軍と呼ばれるほど強いことを知っているようで、青ざめる。
しかし。
多勢に無勢だ。
いくら強くても、人数の多いこちらが勝つ。
そう思ったらしく、勢いを取りもどし、それぞれ武器をかまえて銀時に襲いかかってきた。

男たちは、皆、強い。
実は、彼らは神聖真選組に雇われた者たちである。
神聖真選組は江戸を征服しようとしていて、今や江戸の大半をその勢力下においている。
そして、難攻不落の鉄の街、かぶき町も攻め落としたがっている。
そのために、かぶき町を少しでも弱体化させようとして、腕っ節の強い者を選んで雇い、かぶき町で暴れるように指示したのだった。

しかし、銀時のほうがはるかに強い。
「うりゃァァッ」
ほえながら、敵をなぎ倒した。
大勢の敵相手に一歩も退かないどころか、次々に襲いかかってくる敵をどんどん倒していく。
猛将という呼び名どおりの戦いっぷりである。

そこに。

「銀時、助太刀してやる」
凜とした声が、聞こえてきた。
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