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□濃霧、のち快晴
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ある晴れた日――
(大空サイド)
雲一つ無い、とても晴れた日に
私は霧に聞いてみた
「なぁ霧・・・
私が死んだら、泣いてくれるか?」
問い掛けたら、お前は困った顔をして笑うんだ
「・・・馬鹿ですか」
「ハハッ・・・ひどいなぁ」
花瓶を持ったまま、言葉につまる霧
バレてしまったか・・・?
私がただの風邪でこんなに弱らない事が
私がもう、決して長くはない事が
それでも言わないのは、霧が優しいから・・・
こんな事言ったら、あいつは『優しくなんてありませんよ』って、人を馬鹿にした笑いを浮かべるのだろう
「僕は、泣きませんよ」
らしくないなぁ・・・
今にも泣きだしそうな顔して
「・・・そうか・・・・」
キレイな色をした瞳に、零れそうなくらい涙を浮かべて
「だって、」
おいで――・・・
ああ、声がもう出ないよ
最後に一言、言いたかったのに・・・
「貴方の命日は僕の命日だから」
・・・嬉しい事言ってくれるじゃないか
だけど、
前も霞んで、愛しい人の顔も見れない・・・
き、り・・・
" "
(闇の中、とうとう独りになった)(だけど隣には確かな存在)(お前が必ず見つけてくれると信じ)(私は、先を行く)
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前回の続き。
今からちょうど二年3ヶ月前に書いた話ですね。
20081103
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