現実逃避×閉鎖区域

□多情多恨×森林
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「…アシュリくん、…カリちゃん。逝っちゃったか…」



聞こえてくる子供たちの楽しげな声。
噴水の中に足を入れ、水色の髪をした青年はため息を付いた。



…会えるよ。…次はちゃんと一緒に居れる。だから、今はお休み



祈るように、目を瞑り、2人の笑顔を思い浮かべる。
それしか、今の自分には出来ないから。


自分はいつも…
ただ、見る事しかできない。


嫌だな…。
こんなの…。



「泉宮さん? 泣いてんのか?」



視界に移り込む青年の顔。

それは自分を自由にしてくれた恩人の顔。



「ああ、うん。違うよ、なんでもない」




水奏、改め、ココでの名前は泉宮。


泉宮は心配そうに顔を覗き込んでくる片手にパンを持った制服姿の青年の頭を撫で、ニッコリと笑みを浮かべた。



 
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