現実逃避×閉鎖区域
□愛別離苦×川辺
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アシュリとエルの持つ剣とサーベルの刃がぶつかり、ギリギリと音を立てる。
どちらも押し合い、このままではきりがない。
ならば…と、アシュリは視線を祭歌と殺りあってるカリへ向け―
「やれ」
静かな声で命令した。
「はい」
カリは小さく返事をすると、走り出す。
「来んじゃないっ!」
祭歌は走り込んでくるカリへと手にしていたナイフを投げつける。
が、カリはナイフを叩き落とし
「っ!」
一瞬にして祭歌との距離を詰め、そのままの勢いで首を掴むと同時に地を蹴り飛び上がり、水面へと祭歌を叩きつけるようにして沈んだ。
銃声と剣がぶつかりあう音を掻き消すほどの大きい、水しぶきが上がる音が響く。
「祭歌!!」
マリアが声を荒げ、水面が激しく揺れる川を見る。
と、その頭上へアシュリの握る剣が振り下された。
「ッ」
剣が頭を斬りかけるギリギリで、体全身に高電圧を纏い剣をはじいた。
「ッ! てぇ!!」
「行けエル!」
「言われなくても!」
バチッと剣を伝い手へと流れた電気の痛さに剣を落とし、剣を握っていた手をグッともう片手で握り抑える。
その隙にエルは川の中に沈んだ祭歌を救いに川へと飛び込んだ。
「ってぇなァ…。つーかめんどくせぇな!」
手のしびれが消えたアシュリは、落とした剣を拾い上げ様にマリアの首目掛けて剣を突き出した。
「ッ!」