現実逃避×閉鎖区域

□愛別離苦×川辺
1ページ/13ページ




アシュリとエルの持つ剣とサーベルの刃がぶつかり、ギリギリと音を立てる。

どちらも押し合い、このままではきりがない。

ならば…と、アシュリは視線を祭歌と殺りあってるカリへ向け―


「やれ」


静かな声で命令した。


「はい」


カリは小さく返事をすると、走り出す。


「来んじゃないっ!」

祭歌は走り込んでくるカリへと手にしていたナイフを投げつける。

が、カリはナイフを叩き落とし


「っ!」


一瞬にして祭歌との距離を詰め、そのままの勢いで首を掴むと同時に地を蹴り飛び上がり、水面へと祭歌を叩きつけるようにして沈んだ。


銃声と剣がぶつかりあう音を掻き消すほどの大きい、水しぶきが上がる音が響く。


「祭歌!!」


マリアが声を荒げ、水面が激しく揺れる川を見る。
と、その頭上へアシュリの握る剣が振り下された。


「ッ」


剣が頭を斬りかけるギリギリで、体全身に高電圧を纏い剣をはじいた。


「ッ! てぇ!!」


「行けエル!」

「言われなくても!」


バチッと剣を伝い手へと流れた電気の痛さに剣を落とし、剣を握っていた手をグッともう片手で握り抑える。


その隙にエルは川の中に沈んだ祭歌を救いに川へと飛び込んだ。


「ってぇなァ…。つーかめんどくせぇな!」


手のしびれが消えたアシュリは、落とした剣を拾い上げ様にマリアの首目掛けて剣を突き出した。


「ッ!」




 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ