砂時計
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灰色の砂の入る砂時計を眺める男女の後ろにある扉が、
ガチャリと音を立てて開いた。
そこから入ってきたのはレスと、液状化し宙を流れるように浮かんでいる水無月。
「あ、居たんっスね! 2人とも久しぶりっス」
水無月は薄暗い部屋の中に仲間の姿を見つけ、上半身だけ人の姿に戻り2人に近づいた。
「おー、お帰り。遅かったなァ。
つーか、お前ら間違ってやがんぜ? 堕とすんコッチだろ?
なァにヤローの方堕としてやがんだよ」
「マジですよね…。アイツの前で妹八つ裂きにしてやりゃあよかったですよ…」
近くにあった机の上に座るレスへと、水無月は包帯と消毒液などが入った箱を手渡し隣に腰掛ける。
「レスご立腹じゃなぁ…。どうしたんじゃ?」
「うーん…。最後の最後に気を抜いちゃって…ほら」
男の問いかけに水無月は液状化を説き、血の滴る左足があった場所を見せた。
「うげっ、なに? バッサリいっちゃってんじゃん!
バカやったなー! ウケる!!」
「うるせーですよ、ワルツ」
レスはゲラゲラと腹を抱えて笑う女、ワルツへナイフを投げつける。
ナイフは迷うことなくワルツの額へ突き刺り、その勢いにワルツの体は仰向きに床に倒れた。