BRY 〜便利屋〜

□BRY 〜プロローグ〜
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大きな体育館にある大きな舞台上に赤 青 緑 紫など色とりどりの証明を受ける少年が1人マイクを手に立ち、徐に口を開いた。

「世の中には…
知らなきゃ良かった…
関わらなきゃ良かった…
見なきゃ良かった…
というモノが数多くある。

例)
怪しい店に出入りしている人
腹をおさえて唸っている女
推理小説の掲示板の文章
友達とその友達のヒソヒソ話
ゴキブリホイホイの中
夫が出張中の妻の部屋  等

コレは、ある学校に伝わる伝説に近い話。
見るんですか?
見ていいんですか?
戻るなら今ですよ?
次のページ見たら後戻りできませんよ?
責任とりませんよ?
良いんですね?
本当に良いんですね?
これが最近ですよ?
良いんですね?
ほんとーに良いんですね!?」

「鬱陶しいな!」

突然舞台袖から飛び出し、少年に跳び蹴りを決め込み飛んでいった少年を見送る。
それにしても良く飛んだな…

「えー…、長いプロローグの様な物を読んでくれてありがとう。だが上の話は全くの嘘だ。
本当は

俺たちが通っている学校に知る人ぞ知る“BRY”という物がある。
“BRY”とは、ある人物がある事件に巻き込まれ、憎しみを強め、最終的には殺人鬼になり果てるという、それまでの過程をえがいた話だ。では、始めるぞ」

言い終わると幕が開き、舞台の中心に深く息を吸い込む1人の女子生徒が現れた。

「取り敢えずそんな話ではありませんッ!!!」

その声は高らかに学校全体に響きわたったのだった。

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