タイムリミット
□知らない幸せ、知れない不幸
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××日目の4月22日。
朝7時過ぎ。
立ち入り禁止と書かれたテープが張られている中には、鉄鋼を持ち上げているクレーンが作動し、その周りを数人の男たちが声を張り上げながら仕事をしていた。
そんな中に、彼 マームはいた。
最近一人暮らしを始めたばかりのマームには、ここの仕事場の給料制は効率がよかった。
働けばその分だけお金が積み重なっていく。
時がたつのも忘れて必死に働いていると、マームの耳に一人の男の声が届いた。
「オイ新入り、昨日から徹夜だろ? そろそろ休みいれねーと倒れんぞ」
工事現場の監督に休みを促され、マームは元気に返事をすると今行っている仕事をひと段落させ、工事現場内に設置されている休憩場へと足を進めた。
『ふぅ…。さすがに徹夜はきついな…。
監督の言う通り休みを入れてよかった……』
休憩場に入り、その中に設置されているベッドに潜り込むと今までなかった疲労感が一気に溢れ出してきた。
眠い。
5分もしない内にマームは誘われるように深い眠りへと落ちて行った。
その10分後……
マームの1日は終了した。