BRY 〜便利屋〜

□依頼到着
2ページ/5ページ


「あ、おはよー西高くん!」

「おはよ〜命くん」


モミジと別れた後の西高が教室に入ると、中に居た女子たちが目を輝かせて声をかけながら近づいてくる。

うっとうしいな…。
つーか親しくもねぇ奴が名前で呼んでんじゃねーよ。


「はよ」


それだけ言うと視線を女子から外し、近くにいるツインテールの女子へ視線をむける。


「ミナミ…いる?」


ツインテールの女は俺に声をかけられたことがよっぽど嬉しかったみたいで、いっそう笑顔を増し高い声で答えてくれた。


「高杉くんならさっき職員室に呼ばれてたよ?
てゆうかさ! それよりも今日のお昼あたしと一緒にたべな「ムリ、人と食べんの嫌いだから」


さっさと机の上に鞄を置いて鈴を鳴らしながら教室を出て行く。

背後で待ってだのなんだの聞こえたけど、なんで待たなきゃなんねぇんだよ。
言いたい事があんだったらテメェらがこいや。


「西高先輩」


静かな声に足を止める。


「なんだ? 黒山」


其処に居たのは2年の黒山 花火。


「…なんでもない。ただ、其処に居たから声をかけただけ」


「そっか、…行っても良いか?」


「うん。…それじゃあね」


消えてしまいそうな笑顔を浮かべて背を向ける花火。


「音楽室」


その背中に言葉をかけ、西高もまた花火に背を向け、職員室へと向かった。


 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ