BRY 〜便利屋〜
□依頼到着
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「あ、おはよー西高くん!」
「おはよ〜命くん」
モミジと別れた後の西高が教室に入ると、中に居た女子たちが目を輝かせて声をかけながら近づいてくる。
うっとうしいな…。
つーか親しくもねぇ奴が名前で呼んでんじゃねーよ。
「はよ」
それだけ言うと視線を女子から外し、近くにいるツインテールの女子へ視線をむける。
「ミナミ…いる?」
ツインテールの女は俺に声をかけられたことがよっぽど嬉しかったみたいで、いっそう笑顔を増し高い声で答えてくれた。
「高杉くんならさっき職員室に呼ばれてたよ?
てゆうかさ! それよりも今日のお昼あたしと一緒にたべな「ムリ、人と食べんの嫌いだから」
さっさと机の上に鞄を置いて鈴を鳴らしながら教室を出て行く。
背後で待ってだのなんだの聞こえたけど、なんで待たなきゃなんねぇんだよ。
言いたい事があんだったらテメェらがこいや。
「西高先輩」
静かな声に足を止める。
「なんだ? 黒山」
其処に居たのは2年の黒山 花火。
「…なんでもない。ただ、其処に居たから声をかけただけ」
「そっか、…行っても良いか?」
「うん。…それじゃあね」
消えてしまいそうな笑顔を浮かべて背を向ける花火。
「音楽室」
その背中に言葉をかけ、西高もまた花火に背を向け、職員室へと向かった。