現実逃避×閉鎖区域
□開巻劈頭×冥府
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透き通った水が流れる川の水を手で掬い、顔を洗うアシュリと、その男の横で白いタオルを持った黒いベースに白いエプロンをつけたロングスカートのメイドの服を着たカリ。
「あー…頭いってぇ…」
「ご主人」
二日酔い、それもかなりたちの悪い。
アシュリは手渡されるタオルを受け取り顔を拭く。
「…てか、なんで今日メイド? 何でロング? ミニにしろよ」
「巫女2人が無理やり着せてきました。…以外に、私はこの服も気に入っています。
ご主人はお気に召しませんか?」
立ち上がりその場でクルっと回って見せるカリ。
ふわりとスカートが翻り、黒いオーバーニーが見えた。
「…いや…、……たまにはいいか…」
見えそうで見えないのも…。
アシュリは変態的な考えを浮かべていた、が不意に殺気を感じ立ち上がるとカリの前に剣を抜き立ち
耳を劈く剣と剣がぶつかり合う音。
「よぉ、久しぶり。裏切り者」
アシュリの瞳には殺気が籠り、地面に落ちるナイフを投げつけた女へと嫌味な笑みを浮かべた。
「…あら、裏切った覚えはなくてよ」
アシュリの視線の先には3人の人影。
その内、1つが口を開きアシュリへと嘲笑を見せる。
「だって、最初から仲間じゃなかったんですもの」
着物の袖からナイフを持ち祭歌は切っ先を2人に向けると楽しげに笑って見せた。
「…ご主人。この女は私が殺します」
祭歌の前に立つカリ。
その目は酷く冷たく、眼前に居る女を完全に敵を見なしていた。
アシュリはカリに祭歌を任せ、祭歌の斜め後ろに立つ男、マリアとエルに視線を向けた。