砂時計
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「すげぇ! いやぁ、何やったかしんねーけど助かったぜ!」
男が檻から出てきてその大きな手でザクロの頭を乱暴に撫でまわした。
男が牢から出てきたのを見て、残りの囚人たちも騒ぎ出す。
俺たちも出せ! と…。
しかしそんな言葉に耳を貸すことは無かった。
「約束だよ。守って…」
ザクロは男の手を払い一歩後ろに下がって、警戒心を強めながら強気な口調で言う。
「……死亡フラグやな……」
何処かでそんな言葉が聞こえたような気がした。
「ッ!」
その呟きのような言葉に気を取られている隙をつき、男の手がザクロの細い首を掴みあげた。
「お前に恨みはねーが…、お前の親父には大有りだ…
もうちょっと利用させてもらおうじゃねーか…」
「や、約束は……ッ」
「応えるとはいったが…答えるとはいってねーよ」
《ザクロ! 僕なら…風ならここでも使える!》
『ダメだよ! 僕はまだ君を使いこなせない…また人を殺すのは嫌だ!!』
《でもそうしないとザクロ死んじゃうよ!》
『ごめん! ちょっとだけ黙ってて!』