砂時計

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「やり過ぎじゃ、一寸は加減せい」


「ムカついたんですよ。大丈夫でしょ?
その女はその程度じゃ死なねーしんですし」


「ギャッハハ! たーしかに! ケドさスンゲー痛てぇんだよ!!」


仰向けに倒れているワルツは起き上がりながら、額に深々と刺さるナイフを抜き取り、レスへと投げ返した。


「知りませんよ」


それを人差し指と中指の間で受け止めると、ナイフを素手の中にしまった。


「ちょ、レスっち怪我人増やさないでほしいっスよ!
まったく…アレグロなんか言ったってやってくれっス!」


慣れた手つきで無くなった左足を塞ぐ為、熱した鉄で傷口を焼き包帯を巻き終えた水無月は、レスの無くなった右腕を掴み同じように手当てをした。


「なんじゃ? おんしも体無くしたんぜよ? どうなっちょる?
そんなに相手が強かったきに? 凄いぜよ〜」


アレグロはレスと水無月に傷を負わせた柘榴へ、拍手をし称賛を送った。


「いや、そんな事どうだって良いんスよ…
私が言ってほしかったのは注意の言葉であって……」


「おお、注意じゃったか! そうじゃな…レス ワルツを殺したかったら
本気を出さねば殺せぬぞ」


「そういう注意じゃなくて…。いや、もう良いっス」








  
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