咲き誇る蓮の華
□始まりは…
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コツコツコツ…。
「来た…」
誰も居ない廊下に足音が響く。それは私にとって恐怖なのか喜びなのかわからない。ただそう思うだけの私はベッドに横たえていた体を起こし腰掛けた。
ガチャ…キィィ。
開けられた扉から私は顔をそむけた。やっぱり怖いのかもしれない。
そして扉が閉まり、入ってきた人物の声が響く。
「また、来ましたよ」
入って来た人物、いやアレンは私の頬に触れ優しく撫でた。指は優しいのに、アレンの雰囲気が怖い。
どうしてこうなったのだろう。
あの時、私は選択を間違えたのかもしれなかった。
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