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□1番大切なことは
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ちらりと画面の右端に表示されている時計を見れば、日付が変わるまであと5分を切っていた。
ネジは少し考えたあと、カチカチというボタンの音と共に文章を打って。
「…さて」
時刻は、0:00。
送信ボタンを押してすぐに、彼は着信履歴の一番上にある番号に発信した。
『もしもし?』
たったワンコールで電話に出たテンテン。
ちょうど携帯を触っていたに違いないと、小さく笑って。
『起きてたか』
『当たり前じゃない!メール楽しみにしてたのに、まさか電話くれるなんてね』
彼女の発言から、どうやらまだメールは見ていないらしい。
『テンテン』
『ん?』
『誕生日、おめでとう』
世界中の誰よりも早く、この言葉を自分の口から贈りたくて。
とてもシンプルな言葉だけど、その中に気持ちだけは最大限に込めた。
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