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□赤く、紅く
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物事はいつも突然。
今日だって、いつもどおり人の血を探して、いつもどおり食事をして、いつもどおりに過ごす予定だったのに。
「っ…」
「きゃっ…!」
たまたま選んだ今日のターゲットは、吸血鬼であるネジが血を吸い終えたと同時に目を覚ました。
ターゲットにされた女が驚くのはまだしも、どうやら驚いているのは彼女だけではなく。
犬歯をきらりと光らせたネジが目を見開いた。
「あ、あなたは…?」
「…見て分からないか」
透き通るような白い肌に、黒いマント。
そんな男の姿に血を吸われた女、テンテンはすぐにその男が吸血鬼であることに気付く。
「血を吸いに来たの?」
「愚問だな。血ならもう吸い終えた」
「え…」
あたふたとする彼女をネジはじっと見ていた。
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