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□思い出で埋めて
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卒業式が終わって、もう何時間も経つ教室。
テンテンは卒業証書とカメラを片手に、別れを惜しみながらクラスメイトとわいわい話をしていた。
そんな友人たちも徐々に帰って行き、教室に残っているのは二人。
「みんな帰っちゃったわね」
「そうだな」
笑ったり泣いたりしながら友人たちと話すテンテンの様子を遠巻きに見つつ、ネジも自分の友人と話をしていた。
先程までの賑やかさとは打って変わり、二人だけになった教室は静かすぎるほど。
「ねぇ、ネジ。帰る前に屋上寄って行こうよ」
「分かった」
一年間過ごした教室を後にし、階段を昇って屋上の扉を開ける。
「ここにもよく来たな」
「そうね」
少し暖かくなった風に、彼女のスカートが揺らされる。
テンテンはいつも座っていた場所に腰を下ろし、ネジにもそうするように促した。
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