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□咲いた華
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例え見舞いであったとしても、花なんて柄じゃないと思ったから。
食い過ぎで腹を壊して入院中の幼なじみ。
めんどくせーが見舞いに行かないわけにもいかないしな。
腹壊してるって言ったってどうせアイツのことだ。
そろそろ病院食にも飽きてくる頃だろうし、何か食いもんでも買って行ってやろう。
そう思って任務帰りに団子屋に立ち寄った。
店の中を覗けば、団子屋には似つかわしくないよく知った奴の後ろ姿。
…何でコイツがこんな所に?
「よぉ、ネジじゃねぇか」
「シカマルか」
「アンタが団子屋にいるって珍しいな。誰かにか?」
「お前こそ」
誰かに、なんて。
聞いてからすぐにピンと来た。
「俺はチョウジへだ。見舞いに持ってってやろうと思ってよ」
「そうか」
「んで。ネジはテンテンへ、だろ?」
「っ……」
案外、ネジも分かりやすいな。
テンテンってワードにしっかり反応しやがった。
すっかり黙ってしまったネジに少し笑って、商品棚にたくさん並ぶ団子に目を落とす。
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