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□夢とか未来とか
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「はあ〜、疲れた〜!」




ソファーにどかっと座る彼女が、彼の家に来るのは実に2週間ぶり。




「そんなに勢いよく座って大丈夫なのか?」


「うん!全然平気よ。やっぱりこのソファーは最高ねー、病院のソファーってすごく固いんだもん」




そう言って、ネジはソファーに深く腰かけているテンテンの横に座る。


服の下からちらっと見えた彼女のお腹には念入りに巻かれた包帯。

彼女は任務中の敵とのやり合いで負傷した。至近距離から投げられたクナイが彼女の下腹に深々と刺さってしまったのだ。

その任務に医療忍者は同行していたのだが、出血が酷く止血しきれなかったらしい。

止血しきれないくらいの出血、それは1つの臓器の損傷を意味していた。


急いで里の病院へと運ばれた彼女は、すぐにその損傷した臓器の摘出のために手術を施された。その臓器を摘出しないことには出血も止まらない、すなわち彼女が危なかったのだ。

ネジが駆け付けたときにはすでに手術は終わっており、手術は成功したと綱手様に告げられてほっとしたのも束の間。




「ネジ、実はな…」




深刻な顔をした綱手様が次に続けた言葉に、思わずネジは耳を疑った。




「損傷した臓器…つまりテンテンから摘出した臓器は、子宮だ」




麻酔が切れて目覚めた彼女に綱手様がこの事実を伝えると、彼女はただそうですか、と一言伝えて、再び眠りについた。


子宮を摘出するということは、将来子供を身籠ることが出来ないということ…

子供が好きなテンテンにとってはつらすぎる現実なはずなのに、彼女は今もこうして笑っている。




「ネージ」


「なんだ」


「お腹空かない?」


「ちょっとな」


「よし、久しぶりにご飯作るわ!」




ソファーから立ち上がった彼女のあとに続いて、彼もダイニングの椅子へと座りなおした。




「無理はしなくていい」


「無理なんてしてないわよ。早く料理したかったし」




そう言って冷蔵庫から材料を取り出し、それらを包丁で刻んでいく彼女。

ケガをする前と、何ら変わりないこの光景。


なぜ彼女がこんなにもいつもどおりなのか、彼には理解することができなかった。

自分が気にしすぎなのかとネジが思うほどに、テンテンは至って前と同じだった。








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