V

□Subtitle
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アカデミーを卒業してから、文字通り喜怒哀楽の全てをこの第三班のメンバーと共に過ごして来た。



そのせいなのか。


君の嬉しい時も悲しい時も、隣にいるのはきっと自分であるという!傲慢な思いを抱いてしまっていたのは。






昨晩から吹雪が吹き荒れ、朝まで降り続いた大雪のせいでこの日は木ノ葉の里にも珍しく雪が積もった。

雪景色の里が珍しいが故、どんよりとした雪雲を纏った夜明け前の鉛色の空の中、歩く度にギュッと雪を踏む音を鳴らしながら歩く。



「さすがに冷えるな」



ネジの独り言は、白い息となり冬空へと消える。


しんしんと雪が降り続くこんな物静かな明朝に、演習場で瞑想をすればきっと心地良いはず。

そうに違いない、自分へ言い訳をしながら、いつもの演習場へと足を運ぶ。



しばらく歩き進めると、雪こそ積もっているものの見慣れた丸太が見えたと同時に、見慣れた後ろ姿がもう一つ。


「……テンテン?」

「ネジ!こんな朝早くに何してるのよ」


それは此方の台詞だ、と言い返したいところだが口を噤んだ。

テンテンの頭と肩に積もった雪、鼻の赤さから見て、長い時間此処にいたことが読み取れた。



「雪が珍しくてな、朝修行の前に少し散歩でもと思って。」

「そうなんだ、私と一緒ね!木ノ葉の里は雪が積もることがないもんね」

「だな。…しかし、テンテンと会えるとは思わなかった」

「え?」



しまった。

『会う』と『会える』とでは、受け取る側からすれば随分と意味が変わってくる。


朝だから頭が働いていなかった、この氷点下の気温のせいで尚更に、きっとそうだと自分に言い訳しながら恐る恐る彼女の顔を見て目を見開いた。


テンテンが、泣きそうな顔で笑っていたからだ。









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