日向さんち。

□子連れおおかみ
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「あー!疲れたってばよ!!」



ぼやきというにはあまりにも大きな声を発しながら、任務帰りのナルトは待機所のドアを開ける。


するとそこには見知った白眼を持つ男と、同じ瞳を持ったよちよち歩きの子がいた。



「おっ、月冴じゃねーか!お前、その歳で上忍待機所にいるなんてすげーなあ!」


「とー!」



ナルトに抱き上げられた月冴は嬉しそうに手足をばたばたとさせている。



「…テンテンと入れ替わりで任務なんだが少し時間が微妙でな。もし俺の任務が早まったりテンテンの任務が長引いたりしても、ここなら誰かしらは面倒をみてくれるだろうと思って。」


「そんで、その策略通りに俺がやって来たってわけだな。イテテテ!コラ月冴、髪引っ張んなってばよ!」


「きゃははは」



親と子ほどの歳の差があるというのに、まるで同じ目線で遊ぶことのできるナルトはやはり皆を惹きつける何かを持っているのだろう。

そして月冴もまだ乳呑み子の頃からこうして色んな人と触れ合って過ごしているからか、まったく人見知りをせず、誰に抱かれてもにこにこしているのだった。




そうして暫く月冴はナルトと遊んでもらったあと、二人を座って見ていたネジの方へよたよたと歩いてきた。



「どうしたんだってばよ月冴。もう遊ばねーのか?」



ナルトは今まで遊んでいたぬいぐるみを手に、ネジのズボンの裾をぐいぐい引っ張る月冴を見た。



「眠いんだろう、よく遊んだもんな」



そう言ってネジが月冴を抱き上げたと同時に、月冴から小さな欠伸が溢れた。


ほらなと笑うネジを見て、ナルトも笑顔になる。



「やっぱり父ちゃんのところが安心するよな!月冴、また遊ぶってばよ!」


「うー……」


「もう寝てる。よほど楽しかったんだろう。」



ナルトに礼を言おうとした瞬間、ガチャリと開いたドアに目線を移す。



「お疲れー!よかった、まだネジ任務に出てなかったのね。」



聞き慣れた声の持ち主は今任務から帰ってきたばかりのテンテン。


ネジの隣に腰を下ろして、眠りについた月冴の額を撫でた。



「ふふっ、汗かいてる。ナルトがたくさん遊んでくれたんでしょ?」


「テンテンってばよく分かったな!さすが母ちゃんだってばよ。」


「月冴の母さんは何でもお見通しみたいだぞ。これだと悪いことできないな、月冴。」



三人のクスクスという笑い声をよそに、月冴はすっかり夢の中。


夫婦揃って礼を言われ少し照れた表情のナルトがいた、ある日の待機所の話。





子連れおおかみ
( おおかみのわりには )
( いい父親やってます )



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ナルトは子どもの扱いが上手なイメージ。

月冴が自分の時より楽しそうにナルトと遊んでいることに実は嫉妬したネジパパは、この日任務から帰ったあと子どもとの遊び方を勉強します(笑)




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