日向さんち。

□メロメロ
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いつもの日常に月冴の世話が加わり、少しずつそんな生活に慣れ始めた出産一週間後。


カカシから貰った休暇も終わり、今日からネジは再び任務へと赴く。


一緒に朝食を食べ終えてテンテンは洗濯物を干す、ここまでは何ら変わらない朝の風景なのだが。



「今日八時集合って言ってなかったかしら?」



月冴の小さい服を干しながら思わず独り言をこぼす。


いつもならテンテンが洗濯物を干している途中に、玄関から行ってきますとネジの声が聞こえるのだが、今日はまだだった。


自分の記憶違いかと思っている間に全ての洗濯物を干し終え、時計を確認するとあと五分で八時になろうとしていた。



「ねえ、今日八時集合って言わなかった?」



もう時間だよ、と付け足そうとしたテンテンの口がリビングに居たネジの姿を見た瞬間に止まった。


いつもの白い忍服で月冴を抱き、穴があくんじゃないかというほどに腕の中で眠る我が子を見つめているネジにテンテンは思わず吹き出した。



「そんなにじっと見たら月冴怖がっちゃうよ」


「…寝ているから大丈夫だろ」


「それより時間。もう集合場所に向かわなきゃまずいんじゃないの?」



ちらっと時計を見てああそうだなと一言返したあと、再びネジの視線は月冴へと戻る。



「初めてだ」


「何が?」


「こんなに任務に行きたくないと思ったのは」



本人は仏頂面を保ったつもりだろうが、テンテンにはネジの顔がどうしようもなく寂しそうに見えたのが何だか可笑しくて、にやけた顔を隠すように後ろから抱きついた。



「…笑うんなら笑えばいい」


「笑いたくもなるわよ」


「そんなにおかしいか」


「ううん。ネジもちゃんとお父さんになってるって思ったらすごく嬉しくて、私どうしようもなく幸せだなあって思っただけよ」



抱きついた腕を解いて正面で向き合うと、ネジは渋々月冴をテンテンに手渡した。



「さ、パパはお仕事の時間よ」


「…何度も言うが俺にパパは無いだろう」



苦笑して玄関へ向かうネジを見送りにテンテンと月冴も後について行く。



「月冴と二人で待ってるから無茶しないようにしっかりね。行ってらっしゃい!」


「…行ってきます」



テンテンと月冴の頭をくしゃくしゃと撫でてネジは任務へと向かった。



「とんだ親馬鹿のパパね、月冴もこれから大変だ」



スースーと寝息をたてる月冴にテンテンがそっと話しかけた。



時刻はちょうど八時。

彼がどうやって遅刻の言い訳をするのか気になりながら、テンテンは朝食の食器を片付けようと月冴をベッドに寝かせた。



メロメロ

(とんだ親馬鹿の素質があるみたいです)



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こういうネジパパが書きたかったんです



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