日向さんち。

□初めまして
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何と無く、任務が長引くような予感はしていた。


しかしまさかこのタイミングで、長い間待ち侘びた知らせを聞くとはさすがのネジも思ってはいなくて。



『あれは医療班からの式じゃないか?おかしいな、今日の任務に医療班はつかないはずなのに…』



もうあと一息で任務を終えるという時に現れた頭上を羽ばたく見慣れた鳶。


鳶の首から下げてある紙切れを小隊長が受け取ると再び鳶は夜空へ高く飛び立った。


その紙を見るなり、小隊長は隊員であるネジの肩をがっしりと掴んだ。



『ネジ!テンテンが産気づいたそうだ!先に帰れと言ってやりたいところだが今回の任務はお前無しには遂行出来ん。早く任務を片付けて里へ帰るぞ!』



そこから少し手荒にこそなったが無事任務を終えたネジは、後処理は俺達がするから早く行ってやれという隊長の厚意で一足先に里へと向かった。




息が切れようが汗が白い瞳に入ろうが構わず森の中を全力で走るネジの脳裏には、いつもと変わらない笑顔で今朝も自分を送り出してくれたテンテンとの会話が蘇る。



『今日は早く帰れないと思う。すまないな、そばに居てやれなくて』


『もー、大丈夫よ。予定日は一応明日だし』


『あくまで予定だろ。いつ産まれてもおかしくないんだからな、今日も昼までには日向の家に行けよ』


『わかってるって』



臨月に入ってからネジが任務で居ない日は、いつ何があってもいいようにとのネジの考慮でヒアシやヒナタに頼んで日向家でテンテンを見てもらうようにしていた。


すっかり日も落ち肌寒くはあったが、満月が森の中を煌々と照らしていたためさほど視界は悪くない。

産気づいたのが日向家に着いてからならいいのだが、とネジはスピードを落とさず帰路を急いだ。






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