日向さんち。

□ただいま
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本日もいつも通りに任務を終えて日付が変わる少し前にネジは自宅のドアを開けた。



普段ならドアを開けるなり飛び付いてくるテンテンの出迎えが今日は珍しく無い。


家の電気がついているところを見ると屋内に居るのは明らかで、居眠りでもしているのだろうと靴を脱ぎ極力足音を立てないようにテレビの音がするリビングへと向かう。



「やっぱりな」



時期的には少し早いが身体を冷やすのは良くないと、先日ネジがリビングに出した炬燵の中でスースーと寝息をたてるテンテン。


今夜も自分が帰宅するまで起きておこうと思ったが、きっといつの間にか寝てしまったのだろう。

そんなテンテンの姿が想像できてネジは口元を緩めた。



「テンテン、こんなところで寝ていては風邪を引くぞ」


「んんー…」


「すぐ風呂に入ってくるから、先に布団で寝てろ」



身体を軽く揺すって彼女を起こすと、寝呆けた栗色の瞳がネジをとらえた。



「ネジが帰ってくるの待ってたのにいつの間にか寝ちゃってたみたい…」


「そんなことだろうと思った」



よいしょ、と身体を起こして目を擦るテンテンの姿は、ネジに幼い日のテンテンを思い出させた。



「…仕草はあの頃のままなのにな」


「んー?」



仕草は幼い日の彼女のままなのに、もうすぐ自分達は親になる。


何だがその感覚が擽ったくて、ネジは顔を綻ばせた。



「何でもない」


「ちょっと何よー、言いなさいよ」


「いや、俺達の子どももテンテンにそっくりな仕草をするのかと思ってな」



想像してみたら何か嬉しかっただけだと付け加えると、今度はテンテンも顔を綻ばせて。



「私じゃなくてネジに似るかもよ?」


「…俺に似たら可愛げがないだろうから却下だな」


「そんなことないわ。だってネジ今、すごく優しい顔をしてる」



だから、あなたにも似たらいいなって。


そう伝えるとネジは更に優しい表情で微笑んで、テンテンの身体を支えて立たせた。



「心配しなくてもきっといい子に育つさ。何せ、俺達の子だろう?」


「ふふっ、そうね」


「…さて、俺は風呂に入るから先に寝ていろ。出たら俺もすぐ寝るから」



わざわざ寝室まで連れて来てくれ、風呂場へ向かおうとするネジの腕をテンテンが掴んだ。



「ネジ、おかえりなさい」






ただいま

(今日も愛しいあなたに会える幸せ)




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テンテンと子どもの前ではとびっきり優しい顔をするネジパパであれ。



 

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